2018年の流行語候補にもなった「TikTok」
企業のプロモーションにTikTokを使おうとしている企業は現在急増中だ。
ただし、TikTokを使ったプロモーションやマーケティングをするには抑えておくべき事項が非常に多い。
- TikTokの基礎情報
- TikTokのビジネスモデルへの理解
- TikTokでの企業のプロモーション事例
- TikTokユーザーにとっての企業広告の受け入れられ方
- TikTokでの広告出稿の方法
- TikTokでの広告の効果測定方法
さっとあげるだけでも上記の内容を把握するのが最低限となる。
そこで今回は、上記の項目を最低限の知識としてとりあげていこう。
10代20代だけでなく全年齢に広がりつつあるTikTokのマーケティング知識は、広告業界の関係者であればどんなキャンペーンにもプロモーションにも今後役立つ基礎知識となる。
またTikTokの属するジャンルであるリップシンクというアプリは、日本のみならず世界にむけてキャンペーンを行い、リーチが可能な広告媒体である。全マーケター必読の記事となる。
TikTokの基礎知識
TikTokとは?
Tik Tokは、スマホで自分で撮影した動画にオリジナルサウンドと合わせて配信できるサービスだ。
15秒(ユーザーによっては30秒もしくはそれ以上のものを投稿することも可能となる)のショート動画を音楽と合わせて投稿できるSNSサービスである。
その特徴は、従来のミクチャやyoutubeなどといった動画配信サービスより利用のハードルが低いことが挙げられる。
なぜならまず投稿者側は
- 動画の時間が15秒と短い
- 動画のアレンジが簡単にできる
- 動画全体だけでなく顔の加工も可能
- 顔だけでなく足を綺麗にするなどの加工も可能
そして次に視聴者側は
- 15秒or30秒という短さなので少しの暇な時間でも楽しめる
- 短い動画なので通信量制限が近いときに少しだけでも楽しめる
- 次々と動画がレコメンドされてくるので、選ぶ思考が不要
- レコメンドされた動画は全画面で自動再生なので再生する手間が不要
つまりTikTokは手間が不要、思考力も不要、で「脳死状態で楽しむことができる」アプリなのだ。
この「脳死状態で楽しむことができる」は決してTikTokを馬鹿にしているわけでも蔑んでいるわけでもない。むしろ称賛している。
現在マスに(大衆に)流行しているサービスは、「脳死状態で楽しむことができる」が非常に重要なキーワードなのだ。
TikTokのビジネスモデル
次に、tiktokのマネタイズポイントについて解説する。
tiktokマネタイズポイント1
tiktokはハッシュタグチャレンジという、ハッシュタグを企業や賞品独自に設定し、その再生数を増やしブランドや賞品の認知を伸ばすという広告プロダクトを持っている。
こちらはハッシュタグ画面から再生回数がわかるため、企業に対してはこの再生回数などを広告効果として提供していると推測される。また、業界筋の話によるとこちらのハッシュタグチャレンジは広告商品として1000万円〜という価格で販売されているそうだ。
tiktokマネタイズポイント2
tiktokではハッシュタグチャレンジと別途、もしくは連携したキャンペーンを打つことが可能だ。
このキャンペーンは、ずばり10代〜20代の女子にウケそうなtiktok動画をtiktok運営側が作成し、運営側お抱えのtiktokerに撮影と投稿を依頼し、それがtiktok上で話題になり数千人数万人単位のユーザーが真似して投稿するというものだ。
これは上記した通りハッシュタグチャレンジと連携して行われることが多い。
しかし、このキャンペーンは以下の条件が揃えば現状の仕様であればtiktok運営会社に広告費用を支払うことなく実施が可能だ。
- 広告主企業がtiktokアカウントを保有している
- 広告主企業がtiktokアカウントでのDM対応などに精通している
- 広告主企業がtiktokで流行する動画の傾向を把握している
- 広告主企業がtiktokで流行する動画を撮影できるtiktokerを抱えている
- 広告主企業がtiktokで使用できる楽曲を保有している
- 広告主企業がtiktokで投稿するダンスの歌詞と振り付けを制作できる
- 広告主企業がtiktokで自社動画を再生したり真似して動画投稿したユーザーを吸い上げる動線を設計し、運用に落とし込める
上記は最低限であり、理想は効果測定の部分についても諸条件が整えば次回施策への実施についても検討材料として明確な数値が取得できることとなる。
また、こちらはtiktokにとっても広告費用が払われずとも新しいコンテンツが充実することになる。またtiktokユーザーのアクティブ率も上昇する結果をもたらすためビジネスの成長としてtiktok運営側にはプラスとなり、喜ばしいものであるはずだ。
TikTokでの企業プロモーション事例
アプリ起動時のオーバーレイ広告
上記画像のように、アプリを開いたときやおすすめ動画をスクロールしている途中で表示される広告がある。
こちらはtiktok画面全体を強制的に占有するため、多くのユーザーの視聴数を稼げる広告となる。
が、当然tiktokにおけるユーザーエクスペリエンスを損なう可能性が高く、またブランドイメージも必ずしも好ましいものとなるとは限らない。ゆえにキャンペーンやプロモーションの一貫として検討する場合には注意が必要だ。
こういったユーザーへ受け入れられるプロモーションをtiktokで作成するにはどうしたらいいかという点については後ほど言及することとする。
外部との連携(キャンペーン)
カンの良いマーケターやプランナーであればもうtiktok広告についてはお気づきだと思うが、tiktokは外部のメディアやリアルへの誘導が難しい。
そこで10代を中心に人気のAbemaTVでは
- 独自番組の今日好きに関連する「今日好きダンス」を作成
- 今日好きの出演者がInstagramに「今日好きダンス」を投稿
- これがブースとなりTikTok内で急上昇し再生回数増大
- TikTok内でのプロモーション効果として大きな認知を得る
- 実際にTikTok活用により視聴数が160%アップ
というキャンペーンならびに成果を得ることができたという事例がある。
コカ・コーラのハッシュタグチャレンジ
コカ・コーラ社が実施したのが、「#リボンでありがとうチャレンジ」というハッシュタグチャレンジだ。
キャンペーンの実際の内容は、tiktokで投稿する動画に「#リボンでありがとうチャレンジ」というタグを付けて、誰かへの「ありがとう」を伝えるための動画を投稿するというものである。また、広告動画をtiktok側で作成し有名tiktokerを起用している。
さらに、審査に選ばれたユーザーは
- 渋谷の街にある屋外ビジョンで投稿動画を流してもらい有名になれる
- QUOカード1,000円分プレゼント
といった金券や有名になれるといったメリットがあるキャンペーンとなっている。
まとめ
さて、ここまで3項目について記載してきた。最低限の基礎知識としてはいかがだっただろうか。
後半3項目である
- TikTokユーザーにとっての企業広告の受け入れられ方
- TikTokでの広告出稿の方法
- TikTokでの広告の効果測定方法
については、後編として続編を掲載する予定なのでそちらを参照いただきたい。